新屋島水族館は、標高約300mの屋島山上にある日本でも珍しい水族館です。淡水魚部門では、新屋島水族館と香川県立高松桜井高等学校理学部、香川淡水魚研究会が協働して水族展示をしています。

香川県は、降水量が少ないうえに、山地が浅いことから、人々は昔から大小無数のため池を造り、水を蓄えて大切に使ってきました。ため池には、まだ多くの絶滅危惧種が生育・生息していると言われています。ため池の生物相は水田や氾濫原湿地などとも共通性が高く、そのようなところにくらしていた生き物が移り住んできたのだと考えることができます。

しかし、宅地の造成などで水田の消失、水路のコンクリート化など周辺環境が改変されるにつれ、逆に、豊かな生物相がため池に残るようになったと考えることができます。今では、ため池が淡水域の「生物多様性の宝庫」「絶滅危惧種の最後の砦」と言われています。

しかし、近年では、生息環境の悪化やオオクチバスやブルーギルなど侵略的外来生物の侵入などにより昔からそこに住む生き物や自然が消滅の危機にあります。このような状態が続けば、絶滅危惧種の増加や地域の生態の消滅が加速する一方で、これまで繋いできた生命を私たちの代で絶やすことになります。

2022年5月からスタートした、ため池に連結する小川をモチーフとした屋外水槽「昔のさぬきの小川水景」では、調査で採集した水生生物の一部を展示します。スタート時の展示種数は22種、今後ますます増やしていきます!週末、メンテナンスなどために新屋島水族館へ伺っている本会STAFF、高松桜井高校理学部員にお声がけいただければ展示生物の説明やエサやりなどを楽しんで頂くことが可能です。

香川淡水魚研究会+香川県立高松桜井高等学校理学部いきものチーム制作の新屋島水族館「昔のさぬきの小川水景」水槽にご期待ください。

 

【新屋島水族館】

 年中無休 9:00~17:00(最終入館16:30)

【水族展示】

 ギンブナ、アブラボテ、ヤリタナゴ、タイリクバラタナゴ、ニッポンバラタナゴ、カワバタモロコ、オイカワ、カワムツ、ヌマムツ、モツゴ、ムギツク、タモロコ、カマツカ、オオシマドジョウ、チュウガタスジシマドジョウ、ギギ、ミナミメダカ、カワヨシノボリ、シマヒレヨシノボリ、トウヨシノボリなど

新屋島水族館(香川県高松市屋島東町1785-1)