本会会員が、香川生物学会にて「香東川本流で確認されたアカザ」を発表しました。

本会会員が、香川生物学会にて「香東川本流で確認されたアカザ」を発表しました。

 アカザ Liobagrus reiniアカザ Liobagrus reini(Hilgendorf, 1878)はナマズ科アカザ属に分類される淡水魚である。本種は本州から九州,四国にかけての河川の中・上流域に広く分布するが,関東や東北太平洋側の一部地域では移入と考えられる個体群も確認されている(小川ほか,2015;細谷,2019)。また本種には遺伝的分化した2群が存在することが分かっており,この2群の両方が生息する河川もあることが知られている(Nakagawa et al., 2016)。本種は香川県レッドデータブックで絶滅危惧Ⅰ類に選定されており,過去の調査では4河川で記録されている。現在は高松地域と中讃の3河川でのみ生息が確認されているが、その個体数は少なく,さらに減少傾向にあるとされている(安芸,2021)。
 著者らは香川県立桜井高等学校理学部の調査において,香東川の新たな1地点で本種の成体を確認したので,本種の香川県における分布に関する知見の蓄積を目的としてここに報告する。なお,希少種保護の観点から採集場所についての詳しい記述は避けた。