香川大学学生+高松桜井高校理学部・家政部プロジェクト「Try!魚っち」at 大川オアシスは、盛況でした。

今回で3回目の展示となる「Try!魚っち」移動水族展示企画。会場となった大川オアシスは、さぬき市と東かがわ市の市境に位置し、国道11号線に面するドライブイン。創業は1964年(昭和39年)、高速道路がなかった時代、多くの観光客が立ち寄る場所となり、モダンなレストランで人気を博した。しかし、2000年代に高松自動車道ができると国道11号線を通る観光客は激減し、この大川オアシスも存続の危機にさらされる。壁面の塗装は剥げ、観光客は高速道路で素通り。起死回生を狙ったコンビニ事業も順調とは言い難く、地域のおじいちゃんやおばあちゃんが談話に訪れる過疎化した光景が日常となった。しかしながら、インスタブームの到来で、瀬戸内海をバックに昭和レトロなクリームソーダがインスタ映えするスポットとして話題になる。雑多だった休憩スペースが店長の英断によって一部改装され、昭和と令和が共存する不思議な空間に生まれ変わる。クリームソーダを代表とする昭和レトロなメニューを求めて訪れるインスタ女子やカップル、地域の憩い場として愛し続けて訪れるおじいちゃん・おばあちゃん、広い駐車場でバイク自慢をするツーリスト、数少ない田舎の宴会場として地域住民が集う、るつぼな空間。

今回の移動水族展示はリニューアルした休憩スペースでの初出企画。2日間で延べ1,000人以上の方にご覧いただいた、感謝。展示した魚を見て「かわいい!」「きれい!」だけでは意味がないので、環境との関係に重点を置いて展示。来場者の中からは「捕獲禁止しただけで生き物が守れるわけないやろ」とか「さんざん生態系に配慮のない工事をしまくって魚を全滅させて、捕獲禁止はないだろ」、「さっさと香川もバスのリリース禁止を設定しろ」「Try!魚っちさんは、ボランティアでこのような企画展示をしてるんですか?!頑張ってください」といった生の会話が交わされた。

また、ニッポンバラタナゴとカワバタモロコが相当危機的な状況にあることも積極的にアピール。香川ではタナゴおじさんが暗躍していて、タイリクバラタナゴかハイブリッドバラタナゴが添加され、ニッポンバラタナゴが雑種化した池もあり。どこが天然分布池か目下、遺伝的系統関係を解析中だけど残された生息池のハプロタイプはかなり単系統的な予感。

水槽17個を並べた企画展示は終了だけど、8個ほどの水槽は常設で置かせて頂き、半常設移動水族展示として継続させて頂くことになりました、感謝。香川の生き物の現状紹介だけにこだわる「Try!魚っち」。香川地域密着淡水水族展示ではどこの水族館よりも充実しています!ぜひ、お立ち寄りください。