きれいな水の川⇔たくさんの生き物?!

浮石が少ない川水が透明できれい。雰囲気は良さそうなのに…

ですが、河床を生活の場とする底生性の淡水魚たちの姿がほぼありません。

転石(転がっている石)はありますが、石の間に砂が入り、石と石の間の隙間がないことに気づきました。これでは石の隙間に隠れる淡水魚たちは、棲み処がないのと同じです。探していた淡水魚は、丸一日調査しても見つかりませんでした。

地元の方に話を聞くと、昔は浮き石と呼ばれる砂の中に埋まっていない石が多くあり、多くの淡水魚たちがいたそうです。この河川の上流部では木が切られ、土砂が流出している様子がみられました。一見、山と川とは関係が無いようにみえますが、山と川はつながっています。

人間はよく川のきれいさを水の透明度で判断します。そして水が透き通っていると安心します。ですが、様々な生き物が生きていくためには生活する場所、産卵して子が育つ場所、えさとなる生き物がすむ場所が必要です。

様々な環境があるから様々な生き物が育つのです。

水はきれいですが、水の中に生き物はいない。オオクチバスやブルーギルの問題も同じで、見た目ふつうのため池だけど水中は人が違法放流したオオクチバスかブルーギルしかおらず日本在来の生き物は食べ尽くされている。目に見えないものの実情は、想像と違うことが多くあります。

きれいな水の川⇔たくさんの生き物、の関係は必ずしも成り立つものではないようで、たくさんの生き物⇔多様な河川環境、が必要です。