絶滅の恐れがある淡水魚類調査

香川淡水魚研究会では、絶滅の恐れがある淡水魚類調査を行っています。これまで多くの希少な野生生物を含む生き物調査を行い、香川県などの関係機関に報告してきました。

本県は、砂礫底で浮石(河床にある石で、一部が河底から離れ、下を水が流れているもの)のある河川環境をもつ河川が少なく、そのような場所を生活の場とする淡水魚は危機的状況に陥っています。下水道・浄化槽の整備により水質は一昔前より良くなった河川が増えてきていますが、一度個体数を大きく減らした淡水魚は戻ってきません。

50年くらい前は至る所に見られたふつうの魚で、河川工事や水質悪化、河床改変で30年くらい前には相当な数を減らし、20年くらい前からめっきり姿が見られなくなった淡水魚の一種がアカザシとも呼ばれるアカザです。

アカザ20年間くらいアカザの生息が確認できなくなった河川で、約20年ぶりにアカザの生存を香川淡水魚研究会の絶滅の恐れがある淡水魚類調査で確認しています。地方版ニュース級です。

地元の方に聞くと、「昔は浮石がごろごろあって、そこらあたりで捕まえられたが、工事で川に土砂が流れ込み、浮石がなくなった。川で遊ぶ子どももいなくなって石をひっくり返さなくなったから、なおさら石の隙間が目詰まりしてるんじゃないかな」とおっしゃられてました。

そう考えると地元の子ども達、地元住民を対象として、絶滅の恐れがある野生生物に影響を与えない形で、地元の水生生物を協働して守ってくれることを狙った観察会の実施が要るな、とか思ったりします。

調査結果は香川県レッドリスト種の基礎データとして、県へ提出しています。いつまでもこの河川環境が守られることを願っています。