水生生物調査

香川淡水魚研究会では、水生生物調査を定期的に行っています。今日は、絶滅の恐れのある野生生物調査で、地域住民が保護監視に取り組んでいるエリアでの共同調査です。地域の活動組織の方が4名、本研究会からは3名、での調査です。

水温は7℃、水面からは魚影はあまり見えません。たも網での調査開始。結果は、オイカワ多数、タモロコ多数、スゴモロコ、ギンブナ、ヤリタナゴ、アブラボテ、タイリクバラタナゴ、メダカ、オオシマドジョウ、ドンコを確認しました。カワニナも多く見られました。コモチカワツボは侵入してないようです。特定外来生物であるオオクチバス、ブルーギルはいませんでした。季節によってはため池からブルーギルが流下していることもあり気になるところです。同定、計数後は外来種を除いてリリースします。

ヤリタナゴこの地域では、近年徳島から違法漁具を用いての密漁者がいます。局所的にしか生息していないヤリタナゴ、アブラボテの生息が気になります。

午後からは場所を変えて、地域ぐるみで野生生物の生息環境を守っているエリアでの合同調査です。近年有機物の堆積が激しく、ポンプを使っての池干し作業中でした。ここでは、メダカ、カワバタモロコ、モツゴが見られます。

カワバタモロコカワバタモロコは香川県希少野生生物の保護に関する条例で指定する指定希少野生生物で、香川県希少野生生物保護推進員や許可を受けた者以外の捕獲が禁止されています。当会には、香川県希少野生生物保護推進員が所属しています。カワバタモロコを漢字で書くと川端諸子で、「カワバタ」の由来は標本の提供者の川端重五郎氏にちなんでいるという話をすると、調査に参加していた高校生は「へぇー」と感心していました。

コガタノゲンゴロウ他にも、ツチガエルやコガタノゲンゴロウ、ハイイロゲンゴロウなどが見られました。アメリカザリガニやオオクチバス、ブルーギルが侵入していない場所では日本固有の野生動物を数多く見ることができます。