香川大学学生プロジェクト「Try!魚っち」が、公益財団法人明治百年記念香川県青少年基金 令和6年度 学生・生徒による企画提案活動支援事業に採択されませんでした。
香川大学学生プロジェクト「Try!魚っち」が、公益財団法人明治百年記念香川県青少年基金 令和6年度 学生・生徒による企画提案活動支援事業に採択されなかった。
なんか、採択されたケースだけ書くとご都合主義的な感が否めないため、備忘録の意味も込めて反論を含めて、採択されなかったケースも、Try!魚っちの構成員として、香川淡水魚研究会サイトの場を借りて書きたいと思う。
「選考委員からのコメント」 Try!魚っち
・きちんと許可を受けて絶滅危惧種を採取していることが分かった。これは周りの人にお伝えすべきかもしれない。
→反論:きちんと許可を受けて採取していることは、プレゼンでも、サイトでも広く公開している。
・近くの小学校に声をかけてみてはどうかと思った。
→反論:助成対象となった観察会などではフライヤーを作成し、近隣の小学校全生徒分枚数をお渡ししている。助成対象とならなかった場合にはサイト告知をしている。
・展示の工夫をはじめ、活動の意義を一般の方にわかりやすく伝える工夫がもう少しあるとよいと思った
→その点は同感である。プレゼンを聞いていて、わかりやすく説明するの工夫はあってよいと感じた。
・やっていることを発信してはどうか?
→反論:スタートアップ事業のため、発信するモノがない。そのことはプレゼンでも説明していたはず。
・絶滅危惧の採集・展示に、ためらいを感じる。
→反論:ある種が生息していた事実が知られぬまま生息水域から姿を消しているケースは多々ある。そもそも淡水魚の場合はふだん目にしないものなので関心が払われない。関心が払われないから、その生息環境が河川工事や溜池改修で破壊される。まずは種を知ってもらうことが大切だ。本会はカワバタモロコについて1個体群、ニッポンバラタナゴについて1個体群の絶滅を移殖によって回避させたが、筆者がカワバタモロコやニッポンバラタナゴを知らなければ絶滅に至っていたはずだ。まずはその種を見て、知ることが大切だ。
・今回は応募者が多く採択とならなかったが、事業内容・発表は良いものなので、事業を実施する中で課題解決に取組み、また挑戦してほしい。
→お祈りメールの感は否めないが、希少種・普通種を含めてこの世の淡水魚をどう持続可能なものにしていくか考えるきっかけとなったことには感謝したい。正直言って香川の水族展示や観察会を資金力のない本会がする必要があるのか、といったことを考える契機となる指摘だ。本会の最終目標は香川の淡水魚の持続可能な生息環境の保全だ。コスト(=資金と労力)をかけずに利益(=持続可能な生息環境の保全)を最大化するためには、どのようなアプローチが最善か?本会を設立して20余年が過ぎ、本会自体も持続可能なものではなくなってきている。つきあいのある農家の方も高齢化が進み、ため池の管理放棄などの課題も深刻化してきた。加えて専門性のある人材の不足で本会の運営も危険な状態が近付きつつある。以前とは状況が異なり、観察会などをする余裕はなくなってきている。定期調査と代替保全地のリストアップ、再生産可能な条件の調査研究…することは山ほどある。