カワバタモロコが特定第二種国内希少野生動植物に指定されました
カワバタモロコが特定第二種国内希少野生動植物に指定されました。特定第二種国内希少野生動植物は、販売・頒布等の目的で捕獲を行うことが原則禁止になります。
カワバタモロコは、コイ目コイ科ラスボラ亜科カワバタモロコ属に分類される、日本固有種です。本州の中部地方(静岡県瀬戸川水系)以西から岡山県の瀬戸内海側までと、四国の瀬戸内海側(徳島県・香川県)および九州北西部(福岡県・佐賀県)に分布します。 平野部や丘陵地の浅いため池・沼・用水路・小川などに棲み、少数で群れをつくって表層付近を遊泳する習性があります。止水域で、抽水・浮葉・沈水植物が存在する環境を好みます。
生息環境の消失や改変、オオクチバスやブルーギルなどの侵略的外来種の捕食により大きく数を減らしてしまいました。
カワバタモロコは6~8月の夏の間に産卵します。卵は、水草や水に浸かった岸際の植物に産み付けられます。
「多くの絶滅危惧種が、里地里山等の二次的自然に依存している現状で、二次的自然に分布する昆虫類や淡水魚類等の種について、自然界においては個体数が減少し、絶滅のおそれがあるものの、多産であり、生息・生育地の環境改善がなされれば速やかに個体数の回復が見込めるものが多い。このような種の保全のためには、生息・生育地の減少又は劣化への対策が有効であり、個体数が著しく少なくなければ、個体の捕獲等及び譲渡し等を規制することは必ずしも優先度は高くない」ということで、個体数が著しく少ないカワバタモロコが選ばれたようです。
希少野生動植物種専門家科学委員会は、指定種数の増加に対して事業の増加が伴っていない現状や、限られた予算・人員の状況を踏まえた戦略的な事業実施、個体数増加以外の複数の保全目標の達成、生息域外保全の検討促進、NPO法人や民間事業者との連携拡大の必要性について指摘しています。カワバタモロコの保全・研究はブリヂストン株式会社などが実践中。
「生息・生育地の環境改善がなされれば速やかに個体数の回復が見込めるものが多い」とされてることを踏まえ、香川淡水魚研究会でも保全、普及啓発に貢献していきたいと思います。
環境省 国内希少野生動植物種の追加指定指定 https://www.env.go.jp/nature/kisho/pamphlet/pdf/kokunaikisho.pdf
ブリヂストン社会貢献活動 絶滅危惧種カワバタモロコの保全・研究 https://www.bridgestone.co.jp/csr/soc/eco/japan/biwako/kawabata_moroko/