仏顔?!のホトケドジョウ

「魚のゆりかご水田プロジェクト」エリアから遠く離れた琵琶湖流入水路で水草が繁茂する水路を見つけました。琵琶湖畔の水路も確実にコンクリート三面張り化が進められています。コンクリート三面張り化された水路は底が平坦なコンクリートで、農繁期にしか水を流さない又はいたって流量が乏しい、溜まりの水しかなく水質が悪い、のいずれかに当てはまることがほとんどですが、珍しくそうではない水路がありました。

バイカモ近づいてみると、バイカモがなびています。バイカモは、冷涼な清流に生育するため、西日本では上流や湧き水のある地域に分布域が限られています。初夏から初秋にかけてウメの花のような白い花を咲かせることから、バイカモを見るために観光客が訪れる地域もあります。

しかしながら水路はコンクリート三面張り。でも、水質がよく、水量も豊富で、底部に砂泥が堆積してる場所では、水生植物も繁茂できるようです。陸生植物が茂って水面に浸っているところに網を入れると、ホトケドジョウ、ドジョウ、ウグイ、カワムツが潜んでいました。

ホトケドジョウホトケドジョウは、環境省カテゴリー絶滅危惧ⅠB類に指定されるコイ目ドジョウ科に分類される日本固有種です。東北地方から兵庫県までの本州に分布します。湧き水などの清らかで冷たく、流れのゆるやかな砂泥底で、水草や石など障害物のあるところに生息しています。家庭の生活雑排水の増加などによる水質の悪化と河川・水路のコンクリート化などにより生息数を減らしたドジョウです。

正面から見ると愛嬌のある顔つき、見るからに仏(?)そのものです。さすがホトケと呼ばれているこのドジョウ、いつまでもホトケが宿るこの水路を残してほしいと思います。