ジグザグダンスをする魚-ハリヨ
岐阜県にはジグザグダンスをする魚がいます。ジグザグダンス?何それ?という感じですが、オスの求愛行動で、なわばり近くでメスを見つけたオスは、ジグザグに踊るように泳いでメスを巣に誘うのです。
巣?魚なのに?何それ?という感じですが、オスは3~6月の繁殖期になると、バイカモなどの水草や植物の根などを材料にして、水底にトンネル状の巣をつくります。
さらに産卵、放精が終わった後も、オスは腹びれで巣の中に新鮮な水や空気をあおぎいれるファンニングを行ったり、外敵から卵を守ります。卵の孵化後も数日間は巣を守り、巣の外に出た稚魚を口にくわえて、巣に戻したりもするそうです。
この子煩悩なハリヨという魚は、トゲウオと呼ばれる魚の仲間で、夏でも20度を超えない冷たい水と繁殖の際に使われるバイカモなどの水草が生息する、きれいな湧水環境が必要な淡水魚です。
当然のことながら絶滅の危機に瀕してる魚で、ハリヨの生息地は天然記念物として保護対象になっていることもあります、そうした生息地は環境改変も原則禁止となっているようです。
さて、どのようにして、このような行動が獲得されたのでしょうか。身近にいる淡水魚は今でも謎だらけです。
その謎が解決されないままにハリヨを絶滅させることだけは、将来、生物学を志す子どもたちのためにも避けたいものです。