論文(短報)作成

保全池でのニッポンバラタナゴの調査結果を、高松桜井高校理学部野生生物グループが短報にまとめていっています。

短報とは、原著論文としては情報不足ですが、公表する価値のある事例報告のことです。では、原著論文とは何かというと、著者ら独自の実験、調査、観察によって得られた成果をまとめた論文です。内容は基本的に1論文1テーマでまとめられていて、新規でオリジナリティがあることが必要です。

調査や観察では、対象とする生き物のみならず、その周りの生き物の生活をかき乱しています。迷惑をかけてその生き物を調べた以上、分かったことをはっきりさせ、広く公開することがその生き物への義理だと思います。

ある生き物が絶滅に瀕したり、生息に適さない生態系に環境改変されることはよくあることです。そんなとき、適切な保全策をとるために科学的な情報が必要になってきます。その生き物が生息に適する水質は?その生き物の行動範囲はどのくらいか?

このように、生物の生息環境、食性、行動圏の面積、移動能力、繁殖時期などの基礎的な情報が、生き物の保全に必要になります。そのような情報がないために、適切な保全ができないという事態は避けなければなりません。

保全の観点からしても、論文にすることは重要だと考えています。

今回の「農業用灌漑池を活用したニッポンバラタナゴの保全」(仮)と題する短報は、香川生物学会論文誌に投稿する予定です。