絶滅の恐れがある淡水魚類調査

ニッポンバラタナゴ香川淡水魚研究会では、2003年からニッポンバラタナゴの農業用ため池を利用した保全活動に取り組んでいます。今では安定した再生産サイクルが確立され、毎年この時期になると多くの成魚を確認することができます。

このエリアでは稲作にため池の水を利用することで、適切な水循環サイクルが確立されており、多くの生き物の生命を守っています。これもひとえにこのため池を所有管理利用する農家の方のおかげです。

今日は、香川県立高松桜井高等学校理学部野生生物チームの部員たちが主体となった保全池水生生物調査、たも網による採集では多くのミナミヌマエビ、アカハライモリ種不明のゲンゴロウやヤゴ、そして1匹のニッポンバラタナゴが確認できました。たも網採集でニッポンバラタナゴが見つかったので、もんどり採集では多くのニッポンバラタナゴと再会できるだろうとなと思いきや…先に沈めたもんどりによる調査では2匹のカワバタモロコしか確認することができませんでした。

保全池定期調査焦りを感じましたが、続けて沈めたもんどりでは多くのカワバタモロコ、ニッポンバラタナゴと数匹のモツゴ、そして…アカハライモリが!採集できました。

ニッポンバラタナゴは、新屋島水族館での水族展示・系統保存に加わるのでそのまま移送、ニッポンバラタナゴ以外の生き物はリリースです。手慣れた手つきで部員がニッポンバラタナゴだけを選別していきます。

新屋島水族館新屋島水族館までの道中のサクラが咲き誇っていました。春はすぐそこまできています。

そろそろ淡水魚類の産卵シーズン、産卵の攪乱を起こさないために、香川淡水魚研究会では産卵期間中は河川でたも網での採集調査を控えています。

※香川淡水魚研究会は、香川県より希少野生生物捕獲等許可、特別採捕許可を得て野生生物調査を行っています。

(参考)ニッポンバラタナゴ・カワバタモロコは、香川県内の希少野生生物(絶滅のおそれがある野生生物)のうち、特に保護を必要とする種に指定されています。指定希少野生生物は、生きている個体の捕獲、採取、殺傷又は損傷(以下「捕獲等」という)が原則禁止されていて、違法に捕獲等した場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が適用されます。