自然を守るということ

「香川の自然は豊かだ!」とか、「豊かな自然を守らなければいかん!」と子どもたちは学習します。しかし、どういう自然が豊かで、どのような環境を守らなければいけないのかということを教科書だけで学ぶことは、とても難しいことです。

今はインターネットの普及によって、情報をすぐに手に入れることができます。そのため、すぐに分かった気になることができます。ですが、自然のことは机の上や画面上の勉強だけでは理解することができません。

冬のため池自然は、とても深く、複雑で、そして美しいものです。

冬のため池です。ぱっと見るだけでは何もいないように見えます。ですが、春を待ちながらいろいろな生き物が姿を潜めています。しかし、ため池は管理しなければ、ヘドロがたまったり、場合によっては無配慮な人間の行いで外来種だらけになったりしてしまい、日本在来の生き物にとってよい環境を維持できません。放置されたため池に生物は棲み続けられないのです。

とある河川です。かつては多くの植物が生え、ところどころに瀬や淵といった水の流れが変化する場所もありました。しかし、この場所は工事によって水の流れは均一化してよどんでしまい、さらに岸辺に生えていた植物も減ってしまいました。このように川の様子が同じ環境ばかりになると、様々な環境を利用して生きてきた生物は棲み続けることができなくなってしまいます。

自然を守るためには、人の協力が欠かせません。これから、少しずつ温かくなってきます。ぜひ、近くの危なくない川や池に足を運んでみてください。きっと素晴らしい学びがあることでしょう。そして、小さな生き物や不思議に出会ってみてください。いろいろな変化に気づく感性を育むことが次の世代へ自然を残すことにつながると考えています。