STAFFのつぶやき、をupしてみる

川県RDBに関係する淡水魚類調査は、香川県希少野生生物保護推進員や本会会員のような無給ボランティアなど数人が行っています。香川の淡水魚が末永く生きていけるように懸命に取り組んでいるつもりですが、なかなか人手も足らず、それぞれが空いた時間に調査をするため、思うように調査が進まないことも多くあります。

地域個体群を保全単位として捉えるとき、遺伝的多様性の解析は欠かすことができません。ですが、高価な遺伝子解析装置もなく、外部の研究機関にお願いする費用も捻出できないのが現状です。

香川の淡水魚も種によって年々数が減ってきています。

分布情報の共有や工事の事前調査が十分になされていない事例も多く、希少な生き物の棲み処が、生態系に対して無秩序・無配慮な工事によって瞬く間に破壊されていく現状をみると無念さを感じます。

カジカ大卵型香川県内の希少野生生物(絶滅のおそれがある野生生物)のうち、特に保護を必要とする4種のうち2種については民間レベルだけでの保全活動は困難だと感じています。様々な権利関係、農業後継者の不在による田んぼ・ため池の管理放棄、圃場整備による二次的自然の消失、業者・マニアによる乱獲、外来魚の違法放流、外来魚防除活動の推進など多くの課題が淡水魚保全に立ちはだかります。

保全は、希少種に指定して終わりではありません。

どこにでもいるふつうな魚が、希少な魚にならないように。

そのためには、多くの人が川や池に関心を持ち、生き物に関心を持って頂ける仕組みづくりが必要です。希少種に指定して誰も触れ合えることのできない魚になり、人々の関心から離れ、いつの間にか忘れ去られ、絶滅していくのでは希少種に指定した意味がありません。

多くの人の協働のもとで、どのようにして生息地を守り、個体数を回復するかが大切です。

産学民の三位一体となった保全活動を進めることの難しさを痛感するとともに、他県の成功している保全活動例のように、いつか本会の調査成果や保全活動が報われることを願っています。