ここでしか聴けない音

高原水車「高原水車」は動いていなかった。

かつての場所にそのまま残され、古い道具や明治期以来の関係する古文書も多く残されていた。

「昔のように回る水車を見たい」という言葉に、みんなの心の中の水車も回り始めました。

2014年4月、有志の者が「高原水車友の会」を結成し高原水車た。

水車も製粉装置もほぼ木でできており、水が動力の木製オートメーション。水車を復元するために水車大工の話を聞き、友の会を支えるリタイア組の元気な60代が活躍し、全国でも最古級、四国唯一現存の水車小屋「高原水車」を復元した。

次の目標は、歯車と挽き臼の修復。隣にある畑で麦を育て、水車で挽いた粉を水車でうどんに製麺して、来訪者に振る舞うのが、友の会の夢。

高原水車水車小屋の目の前には麦畑が広がり、水車の前後は由良石づくりの石垣水路、その先下流には今では見かけることが難しい土堀り水路が健在する。

水を叩く羽板板の音、メダカ、マルタニシが生き残り、ドジョウの姿も見られる今では数少ない里地の景色。

しかし、この水路も麦畑も、バイパス道路の建設で姿を消す高原水車運命のようだ。

こみ上げる寂寞の想いを救う手はあるのだろうか。

 

高原水車
高松市六条町672
毎月最終土曜日 10時~15時(12月は除く)公開