保護地区の水生生物調査

カワバタモロコ香川淡水魚研究会は、希少な生物が生息する地区の定期的な水生生物調査、保全活動を池主さんと合意のもとで行っています。

約2年ぶりに調査したため池のうちのひとつの池がピンチです!今回の調査でアメリカザリガニが初めて確認されました。おそらく急こう配のコンクリート水路か、池への道を伝って上がってきたのだと思います。恐ろしい移動能力です。

マツモやヒシなどの水生植物が消え失せ、池の水が濁ってしまいしました。アメリカザリガニが侵入した池この池は主にカワバタモロコとモツゴが生息していましたが、明らかにカワバタモロコの個体数が減っていました。産卵床となる水草などのモサモサ帯が消失し産卵が困難になったことと、産卵時期はモツゴが先なため、隠れ場所がなくなったカワバタモロコの稚魚がモツゴに捕食されているのだと思います。

このカワバタモロコのゆりかごである水生植物をちょっきん、ちょっきん切り取るのが、アメリカザリガニです。アメリカザリガニアメリカザリガニはそのはさみで多くの他の生き物の生活環までをも切り取り、水質を劣化させます。その結果、数年のうちに多くの生き物が絶滅します。星の王子様で言う「バオバブ」のような存在です。

アメリカザリガニは池干しをしても生き残る可能性が高い厄介な外来種です。アメリカザリガニが切り取ることが難しいヨシやガマを植えて急場をしのぐ手立てが考えられますが、池の水位操作などが必要です。

幸いこの池はすでに農業に供してない池なので池主さんから自由に水位操作してよいとの許諾を得ることができました。今後、アメリカザリガニを低減管理し、可能ならば根絶する手立てを取りたいです。