ブルーギル

1960年に日米修好100周年を記念して、皇太子自らが「非常に釣りやすい魚なので、都会地で子ども達が釣りを楽しむのに好適な魚と考えた」とブルーギルの提供を依頼し、訪米した当時の皇太子にブルーギルがシカゴ市長から贈られました。
ブルーギル自然水域への試験放流は、伊豆の一碧湖が初めて。現在では、日本各地の湖やため池に分布しており、ブルーギルのいない水域を探すことの方が難しいくらいに殖え続けています。

浮遊動物、水生昆虫、エビ、水生植物などを好み、魚卵や小型魚なども捕食する雑食性で、在来種を絶滅に追いやる侵略的外来種。

ブルーギル体高のある丸みを帯びた体形で、雄は雌より大型になります。
産卵期は、初夏、水温が18℃を超える頃から始まます。
この期の雄は、婚姻色で、胸びれの下部が赤く、下顎からエラ蓋にかけてはきれいな水色を呈します。
雄が水底を掃除して、産卵床を掘り、砂底や礫底の他、砂泥底など、様々なところに直径30㎝程度のすり鉢状の巣を作り、雌を呼び入れて産卵させます。
卵を産みつけるのはある程度の大きさのある石などで、砂底などでもこのような石が出てくるまで掘り起こされているようです。ブルーギルの卵は沈性付着卵で、1回の産卵数は平均的なサイズの個体で21,000~36,000粒、魚体サイズが大きいほど1回の産卵数は顕著に増加し、全長23㎝の個体では64,000粒に達します。 ブルーギルは一産卵期に多回産卵を行うことが広く知られています。

ブルーギル雄はおのおの巣を中心になわばりを持ち、巣のまわりを遊泳して卵や稚魚を保護します。外敵や他の雄が近づこうものなら、ものすごい勢いで攻撃を仕掛けます。また、人が巣に近づいただけでも、威嚇攻撃をしてくることさえあります。

その食性などから、オオクチバスよりブルーギルの方が生態系に与える影響は大きいとも考えられていて、一般に、本種が移殖された湖沼、ため池では生態系が著しく改変されます。ブラックバスとブルーギルが生息する湖沼では その両方とも駆除しないと元来の生態系は取り戻せません。

特定外来生物に指定されているブルーギル、特定外来生物を野外に放った場合、外来生物法により、懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金が課せられます。

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