クロヨシノボリ?
高松桜井高校理学部野生生物チーム、通称いきものがかり(どこかで聞いたような…)は、寒空の下、研究報告に向けて野外調査へ毎週のように出かけています。
今日の話題はこの魚、ヨシノボリです。採集した時は、この河川の構成種から見てオオヨシノボリかと思ってました。調査後、同定作業に入ると胸鰭基部に点状の黒色斑でなく、帯状の黒色斑が…写真が明瞭でないので分かりにくいですが、胸鰭軟条数も17を超えていそうです。
もしかしてクロヨシノボリか?!
クロヨシノボリならば野生生物チーム初、どころか香川淡水魚研究会初!の新発見です。
クロヨシノボリは、両側回遊魚で、河川の上流から中流域に生息します。雑食性で、付着藻類のほか小さな水生昆虫や底性動物などを食べます。繁殖期は5~7月頃で、オスが石の下に巣穴を掘り、メスが卵を産み付けます。卵はオスが保護します。孵化した仔魚は海へ下り、2~3ヶ月で再び川を遡上します。ため池やダム湖に繋がる河川などに生息しているものは、一生を淡水で過ごす陸封型のものも見られますが、大阪府では陸封のクロヨシノボリは確認されていないなど少数派のようです。
今回発見の個体は、いかなる淡水魚でもほぼ超えることができない河川横断物の上流側に生息していました。
クロヨシノボリとの見方が確実になれば、陸封型個体として30年以上細々と生きながらえていたことになります。
RDB担当の香川県希少野生生物保護推進員と連携して、今後同定作業を急ぎたいと思います。