どじょう

ドジョウ馴染みがあるようで、馴染みがないドジョウ。童謡で、「なつになれば わらしこおよぎ どじょっこだの ふなっこだの おにっこきたなと おもうべな」と唄われてますが、そう簡単にお目にかかれる魚ではなくなりました。マルナカなどのスーパーマーケットでたまにドジョウが売られてますが、ほぼ100%中国大陸産のカラドジョウです。

水田と接続がある小川や水路などに生息してましたが、本会調査では比較的大きい河川のタマリや細流、ため池などで多く見つかっています。水路のコンクリート化や水田との段差障壁、堰の設置、農薬使用などの影響で棲み処を減少させています。素掘りの水路が残る里山でも農薬ホリドールなどのパラチオン系有機燐剤の使用開始を境に姿を消していったとの話を聞きます。ホリドール使用後の放置されたビンを子どもが舐めて死亡した例や、家畜が中毒を起した報告が相当数あるくらいなのでドジョウやメダカが姿を消すのは当然なのでしょう。

一昔前より河川の水質は良好になってきているようです。しかしながら一度消えた生き物は戻ってきません。水路の連結度が高ければ戻ってくる可能性もありますが無数にある堰や段差のせいで移動してくるのも困難を伴うようです。

香川県レッドデータブック2021では、以前より確認地点は増えたと報告されていますが、同時に「確認地点数の増加は積極的な調査が増えたことが理由であり,生息環境が改善されたためではない」と指摘されています。

次なる生物多様性の保全のためには、不要不急の三面コンクリート化、堰などの河川横断工作物の撤廃が必要です。