地域と協働しての第23回水生生物定期調査

地域の方と協働して水生生物の定期調査を行いました。定期調査は今回で23回目を迎えます。

今回は幅の広い用水路で調査を行いました。底部は砂礫底で、エビモやヤナギモといった日本在来の水草が生えるほか、南アメリカ原産のオオカナダモも繁茂しています。ここ最近はオオカナダモが勢力を広げているようにも感じ少し気がかりです。用水路の水生生物たちはこうした水草をガサガサすることで多く見つかりました。

今回最も多く見られた魚はオイカワでした。小さな未成魚や婚姻色の出た成魚など、様々な発育段階の個体を確認することができました。香川県の四国本土側では元々オイカワは生息していなかったとされます。香川用水の開通後、吉野川水系から侵入したようです。今では香川県各地で最も普通な淡水魚の一つとなっています。

水草の中からコウライモロコも発見しました。7cm程度の成魚です。本種は河川の下流域に生息し、この調査会でも度々確認されています。とても美しい淡水魚です。

底部の泥を掬うとドジョウが得られました。

ヨシの植物体が堆積した場所からはドンコも見つかりました。様々な淡水魚が住みよい環境を選んで分布しているように感じます。私の眼には単調な環境に見えますが、魚の目線で見ると多様な環境で溢れていることが想像できます。

今回の調査会では合計13種の淡水魚を確認しました。この内、香川県レッドデータブック2021に掲載されている種は5種となります。こうした種にとって本調査地が貴重な生息域であることに間違いはないでしょう。レッドデータブックに掲載されている種はもちろん、それ以外の種も変わらず住み続けられる環境が保たれて欲しいです。