あかざ - 50年以上ぶりの大発見!

アカザ Liobagrus reiniアカザ Liobagrus reini 、ナマズ目アカザ科アカザ属に分類される日本固有種で、香川県では、アカザシ、アカマンキリ、オイシャサンとも呼ばれています。オイシャサン?、アカザは背鰭に1本の刺条を持っていて、その刺条には毒腺があり、刺されると痛む!その所以からオイシャサンと呼ばれていたようです。呼ばれていた?ということは、その姿を見ることは極めて困難。高度成長期の排水や護岸・ダム工事などの生息地改変の影響で多くの生息地は消失しました。

本会調査でも県内では、3河川からしか生息が確認されていません。アカザ Liobagrus reiniその河川の中でも、本流では確認ができなかった1河川から、2021年12月25日に50年以上ぶりに生息が確認できました!1個体だけですが…奇跡に近いアカザ Liobagrus reini発見です。

とは言え、喜んではいられません。その河川の上流側にはダムができ、以前確認できていた上流側では生息が確認できなくなってしまいました。アカザ Liobagrus reiniということは流れ落ち個体?ということが考えられます。

このアカザ、高温に弱く、水温が25℃を超えるころから死亡する個体が増えていくようです。繁殖期は5~6月、瀬の石の下に卵塊を産みつけます。一時的であるにしても、砂防工事やダム工事に伴う土砂流出により浮き石が埋没したり、流水が枯渇することにより局所的な個体群が全滅する可能性があります。浮石等の環境維持はもちろんのこと、工事に伴う土砂の流入で浮石が埋没しないような配慮が必要ですが、例えば椛川ダムの工事ではそんな措置は十分に取られていないようです。

環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類 (VU)、香川県カテゴリー 絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)に属する清流の象徴とも云えるアカザ。言うまでもなく世界の侵略的外来種であるコイや少々汚い水環境を好むホタルは清流のシンボルではありません。

SDG’s(持続可能な開発目標)のひとつに掲げられる「陸の豊かさも守ろう」を守るために、行政やダム管理事務所は、アカザのような希少な生き物を守り、生物多様性の保全に積極的であるべきだと本会は提案します。