「四国に唯一生息するカジカ(県選定絶滅危惧Ⅰ類)の生息調査・保護」が、令和5年度四国の川を考える会の助成事業に採用されました。

 本会申請の「四国に唯一生息するカジカ(県選定絶滅危惧Ⅰ類)の生息調査・保護」事業が、令和5年度四国の川を考える会の助成事業に採用されました。

 カジカは清流の象徴とされる淡水魚類であると同時に美味であることから、長野県などでは漁業権魚種に設定され高値で取引される貴重な淡水魚種です。一方、香川では「水の乏しい香川に清流を象徴とする貴重な魚などすでに生息するはずがない」と思われ、注目されなかった淡水魚と考えられます。香川県をはじめとする四国では過去のカジカの生息状況の記録が乏しく、カジカが生息していた事実が知られぬまま生息水域から姿を消すことが懸念されます。香川産のカジカ大卵型も現在精密な調査は行われておらず絶滅は時間の問題となりつつあります。しかしながら行政を主体としても、民を主体としても積極的な保護活動は行われていなのが現状です。

 カジカ大卵型は、香川県内の希少野生生物(絶滅のおそれがある野生生物)のうち、特に保護を必要とする種を指定されており、指定希少野生生物は、生きている個体の捕獲、採取、殺傷又は損傷(以下「捕獲等」という)が原則禁止されています。違法に捕獲等した場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が適用されることから、民による生息調査や保護活動のハードルを上げています。

 今回、生息調査や人工産卵床設置に関して法関係の調整が行政とできる見通しが立ち、四国の川を考える会の助成を受け、香川大学創造工学部環境デザイン工学領域・香川県立高松桜井高等学校理学部と協働して地域固有の希少種の保護活動を実施します。