オリジナル産卵床を作ってみた

 人工産卵床を設計、製作してみた。今日はその産卵床を沈めに、カジカ大卵型用だ。

 今までの調査や過去文献をもとにして、ラフ設計図を作って、実装・費用などは人工漁礁の研究で有名な香川大学創造工学部 末永慶寛教授のアドバイスを受けながら、日本興業株式会社に製作を依頼した。

 河川に構造物を設置するってかなり大変、香川県から河川法24・26条関係に係る設置許可も取得した。

 さて、この人工産卵床をつくった経緯は、昨年は屋根瓦を産卵床として用いた場合の産卵実績が確認できなかったため。産卵期が終わる5月下旬の調査で稚魚は確認したけど、当該魚が屋根瓦を利用したのかどうかまでは分からず。実験区間は、シルトなどによって目詰まりする浮石が多い100mにも満たない区間で、カジカ大卵型の個体数も極めて少なく(特に小型個体)、何か手を打たないとおそらく数年うちに絶えそうな場所。今までの実験から、瓦だと表面がつるつるしすぎて卵が剥離する可能性が高く、少々ざらつきが多い表面を有する物体の方がよい結果を生むだろうということを言われた助言の産物だ。

 カジカ大卵型の分断された数少ない生息域では、相変わらず河床変更を伴う河川工事が実施されており、どうにか個体群の維持につなげたい。