「オヤニラミ」キミの由来は?

 持ち上げたたも網に動きがあると嬉しいものだ。たも網を覗きこみ見かけないお魚が確認できると喜びもひとしおだ。しかし時間が経つにつれ疑問が沸き上がることが多いことも事実。この標高でこの魚は…?

 先日の調査でオヤニラミを発見した。本県の自然分布は中讃部の管理された水域とごく限られた小河川のみ。小河川の個体は自然分布か疑わしい(氏部・山田他,2021)。今回の生息地は、その地点からはるか離れた地域の小河川だ。1個体のみの確認ならば、即座に「誰が放流したんだ?」となるところだが、2個体を採捕。となるとこの近辺の区間を詳しく調査してみようかな?という気になるが、なかなかそういった時間も取れない。もっともさらに見つかったところで自然分布かどうかの確証は得られない。

 結局のところ遺伝子解析しかない。鰭カットをして、DNAを抽出し、シーケンサーにかけて、MEGAXで調べるといった大方の流れは分かるのだが、勉強と一緒で分かるとできるは全く違う。分子系統解析の技術を身に付けたいが、その道のりは険しい。

 当魚に聞きたい、「オヤニラミ」キミの由来は?

※氏部崇之・山田裕貴・川田正明・高木基裕.2021.香川県まんのう公園で採集されたオヤニラミの由来.香川生物.48:7-13