系統樹を描いてみた#1
今年の目標は、香川県に生息するカワバタモロコの系統樹の作成だ。カワバタモロコの系統樹は、「Genetic population structure of Hemigrammocypris rasborella (Cyprinidae) inferred from mtDNA sequences」で報告されており、香川県産の個体群も分析されているが、分析されている個体群はため池の埋没や管理放棄、他何らかの理由で、ほぼほぼ絶滅してしまっている。また、分析にかかっていないため池の個体群もあり、「Comparison of genetic population structure between two cyprinids, Hemigrammocypris rasborella and Pseudorasbora pumila subsp., in the Ise Bay basin, central Honshu, Japan」に触発されて分析を試みたいというわけだ。
しかし、小生は工学部電気工学科の出身であり、DNAに関しては全くの素人。独学1カ月の末、MitoFishからゲノム情報を引っ張り、BLASTにかけ、類似度の高そうな数種とそうでない種についてゲノム情報を得て、アライメントし、系統樹を作成してみるという実験にたどり着いた。対象とした種は、イトモロコ、スゴモロコ、コウライモロコ、アオウオ。結果はあながち間違っていなさそうだ。これはおかしい!というツッコミがあればぜひ指摘をお願いしたい。
この成果あって、網羅的解析の手法もなんとなく分かった。さて、次は魚のヒレで解析に挑むわけだがうまくいくことを期待したい。
※Katsutoshi Watanabe · Seiichi Mori · Tetsuo Tanaka · Naoyuki Kanagawa · Takahiko Itai · Jyun-ichi Kitamura · Noriyasu Suzuki · Koji Tominaga · Ryo Kakioka · Ryoichi Tabata · Tsukasa Abe · Yushu Tashiro · Yoshiki Hashimoto · Jun Nakajima · Norio Onikura. 2014. Genetic population structure of Hemigrammocypris rasborella (Cyprinidae) inferred from mtDNA sequences
Katsutoshi Watanabe · Seiichi Mori. 2008. Comparison of genetic population structure between two cyprinids, Hemigrammocypris rasborella and Pseudorasbora pumila subsp., in the Ise Bay basin, central Honshu, Japan