巨大「カワバタモロコ」現る。
定期的に調査を続けるといろんな発見がある。昨年度までは肌感覚で調査してたみたいな感があったが、毎月22か所の池+αのため池について、水温、PH、DO、DO%、EC、TDS、濁度、CHL、種数+個体数、…を調べていくと相当な知見が集積されていく。この結果は論文にして発表したい。
さて、とあるため池で全長97mm、体重19gのカワバタモロコが確認できた。一瞬見たときには、この池にもギンブナがいたのか、と思ったけど、よく見るとカワバタモロコだ。何歳魚であるかは、この池の全長のヒストグラムから確実でない予測はできるが、確実でないため記述は控えることにしたい。箱ひげ図で表すと、この個体の全長は、当然のことながら外れ値になる。
しかしこの池にも3年前にアメリカザリガニが侵入しており、昨年見られたヒシが今年は一切生育していない。この池のカワバタモロコはヒシを産卵床にしているようなので、今年の再生産が危ぶまれる。ヒシの生育が順調にいってないのは、アメリカザリガニに起因するものなのか、濁度に起因するものなのか、それとも他の要因によるものなのかは、現在原因究明中。今年の再生産が不調なら新たな避難を考えなければならないが、同一水系で、水生植物が良好に生育し、水位管理ができて、池主などの利害関係者のコンセンサスが得られる池はそう簡単には見つからない。小生の予想では、何も手を打たなければ、近い将来(あと20年程度で)、カワバタモロコが持続的に生息できるため池は3程度に減ると思う。