ボコボコした二枚貝、マツカサガイの現状

マツカサガイとドブガイ殻長40~60㎜、東北から九州にかけて広く分布しています。

河川や池、沼などの小石などのある水底に生息している淡水生の二枚貝です。

マツカサガイの貝殻は表面にボコボコとした波状の肋が見られる事が多く、黒色または濃褐色の殻皮で覆われています。また、貝殻の内側には真珠光沢が見られます。

香川県では、局限したところで見つかっていますが、以前からそこにいた在来種であるのか、淡水魚飼育のために放流された他県産のものかは分かっていません。

本会の調査では、砂底~砂泥底~泥底の水路で見つかっています。ヤリタナゴ、アブラボテと生息域が重なることからこの2種の産卵母貝となってることは間違いないようです。

河川の下流域や平野部の用水路などの緩やかな流れで底質が砂泥底で水質の良い場所は多くの水域で破壊されてしまったため、マツカサガイの生息は危機的な状況です。また近年の日本産淡水魚飼育ブームに伴う業者による採集圧も脅威となっています。

マツカサガイの水槽での再生産サイクルの確立は困難です。本会では、生息水路をモデルとした屋外でのマツカサガイの保全を試みていますが困難を極めています。はっきりいってヤリタナゴやアブラボテの再生産よりもマツカサガイの再生産が格段に困難です。マツカサガイがいなくなれば、ヤリタナゴ、アブラボテは絶滅します。この貴重なマツカサガイの乱獲をしないようにご協力ください。