「掃除屋」という誤解!オオシマドジョウからの声なきSOS

オオシマドジョウ

全長9~13㎝、本州・四国の瀬戸内海周辺を中心に河川の中流域に生息しています。いままでは「シマドジョウ」とみんな同じ仲間にされていましたが、研究が進むにつれて、「ヒガシシマドジョウ」「ニシシマドジョウ」「オオシマドジョウ」「トサシマドジョウ」の4種に分かれました。また、「ヒガシシマドジョウ」「ニシシマドジョウ」のなかには、まだまだ違う種類とまではいえないけれど、地域ごとに違う特徴をもつドジョウが各地にいます。ややこしいですが、それがシマドジョウ属の研究の面白さです。

さて、このシマドジョウ属やスジシマドジョウ属ですが、とってもきれい+かわいいので、ペットショップでお掃除屋さんとしてよく売られています。飼育したことがある人も多いのではないでしょうか。

ですが、私の感覚では、このお掃除屋さんたちの飼育は難しいです。なぜならすぐにやせるからです。食べることが遅いにもかかわらず大食いです。そのため、他の魚の食べるスピードについていけませんし、食べ残しでは全然足りません。

シマドジョウ属やスジシマドジョウ属は環境の変化に大変弱く、各地で生息数をどんどん減らしてきています。また、シマドジョウ属やスジシマドジョウ属は繁殖が難しいため、販売されている多くが日本のどこかの川から連れてこられた魚たちです。香川県では、準絶滅危惧種としてカテゴリーされています。

その貴重な魚たちが、「掃除屋」という間違ったイメージを付けられ、使い捨てのように販売されている現状に大変危機感を抱いています。