冬の清流

カワムツ冬の清流は、一見、何もいないように見えます。夏に水面表層を賑わせていたオイカワやカワムツもなりを潜めます。

でも、ちょっと工夫をして探せば、いろんな生き物が密かに活動しています。

気温は10℃を下回り、水温もかなり低いなか、春の到来を待っています。そんな生き物たちとは…

カワヨシノボリカワムツ、香川ではふつうに見られる魚です。ヨシ帯に身を隠すように仔魚、親魚とも泳いでいます。

石をそっと動かすと、カワヨシノボリが泳ぎ出してきました。日本の固有種で、湖やため池などの止水域では見られず、一生を流れのある川の中で過ごします。ダムができたりすると姿を消します。

さらに石を動かしていくと、アカザが現れました。環アカザ境省カテゴリーでは絶滅危惧Ⅱ類 、香川県カテゴリーでは絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。河川工事やゴルフ場建設などによるシルト流入でどんどん見ることが難しくなってきている感があります。石の多い礫底を好みます。産卵期は5~6月頃で、石の下などにゼリー状の卵塊を産み、卵は雄が守ります。

ひと通りの撮影をして記録に残します。記録は、香川県に提出します。ここの場所で工事などの計画が立ち上がった時に生態系に配慮があるようにしてもらうためです。

情報提供しなければ、味気のないコンクリート河川になる危険性があります。

生き物たちの平穏を祈願して、もといた場所に帰って頂きました。春過ぎの順調な繁殖を期待したいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA