島根県立宍道湖自然館ゴビウスのルリヨシノボリ

汽水をメインテーマにした体験学習型水族館「島根県立宍道湖自然館ゴビウス」。
島根県の川や宍道湖・中海に生息する生きもの約200種10,000点を展示しています。

「淡水」の展示も充実していて、しまねレッドデータブックの生きものたちの水槽、河川ジオラマ水槽などがあり、タナゴ類やドジョウ類など淡水を代表する魚介類を紹介しています。

全長18メートルの河川ジオラマ水槽では、河川の上中流域と中下流域を再現!見ごたえ十分です。

国の天然記念物であるオオサンショウウオの水槽もあります。

香川県には、このような地域固有の生きものを紹介する充実した施設がないので羨ましい限りです。

さて、見分けがつきにくい日本淡水魚たち、このような施設の生きものを観察することで、同定力をあげることが可能です。

さて、とかく同定がややこしいヨシノボリ属。相当数のヨシノボリを見てきても、見分けがつきにくい淡水魚です。

 

ルリヨシノボリ、頬に瑠璃色の小さな斑点が散在することからそう呼ばれています。以前はヨシノボリ・ルリ型と呼ばれていました。斑点は体側にも見られることが多いようです。

北海道の積丹半島から渡島半島の日本海側、下北半島西部、青森県から山口県に日本海側。房総半島南部から九州半島南部の太平洋側、九州西部、本州・四国の瀬戸内海側に分布します。瀬戸内海側沿岸部では少なく、香川県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。

全長7~10㎝程に成長し、オオヨシノボリと共に、ヨシノボリ属の中では最も大きいとされています。オオヨシノボリなどと同様、河川の中~上流域の流れが速い急流部に生息しています。
大きな河川よりも小河川や小さな支流に生息する傾向が見られ、付着藻類や水生昆虫などを食べています。

河川改修などによる生息場所の減少や水質汚染、ダム建設による稚魚の遡上阻害などによってルリヨシノボリの生息数は激変しています。生息環境が限られていることから分布域も点在していて、更なる個体数の減少が懸念されています。

残念ながら本会調査では、確認できていません。

この見た目にもきれいなルリヨシノボリを守るためには、砂防ダムや堰等の河川横断構築物の建設、河川のコンクリート化について中止も含めて慎重な判断が必要です。

早急に生息を確認したいヨシノボリです。